日本財団 図書館


 

?@都市圏交通問題は完全に地域レベルの問題であり、問題解決にあたっては地域の自主性、自己責任を原則としたものであるのが望ましい。
?A鉄道、バス、タクシーは交通体系の要素となるものであり、相互の連携を十分図る事が重要である。このためには各システムを統括して検討する場・機関の設置が望まれるものである。
次ぎに現在、公共交通機関が提供する輸送サービス水準について、一層の質的向上を図ることが必要と考える。鉄道に関しては新聞報道等で見聞きした犯罪等の発生による安全性の低下は極めて深刻な問題と考える。公共交通機関は一般公共の用に供した公共サービスの一種であり利用に際しての安全性確保は大原則であるべきであり、今後の利用拡大を目指す上にはまず犯罪等の防止に積極的に取り組む必要がある。
バスやミニバスについても企業性の範囲で最大のサービスがなされていると思われるが、運行頻度の確保や輸送の快適性確保の点等でなお改善余地があると考えられ、また鉄道輪送と一貫した輸送形態についても検討の要がある。
(2)中心市街地レベル
ケープタウンのCBDを中心とした地域は都市問題、交通問題が特に大きい事と同時に、都市圏を代表する顔として将来とも重視されるべき地域である。現在この地域の交通も主に自動車が利用される傾向にあり、まだ深刻な渋滞混雑が発生する状況にはないもののオリンピック開催の可能性の高まりや将来の都市開発の動向をにらんで、公共交通体系の整備を目標としたインナーシティプランニングが市当局により進められている。
我々も中心市街地において公共交通が活用できる可能性は十分にあると考えており今回検討したCBD-W/F間へのLRT導入についてもその中で明確に位置づけられる事を期待するものである。
中心市街地における公共交通網のあり方に関しては、既存の交通システムの有効利用(相互の有機的な連携も含む)と将来の都市開発動向に注目する必要がある。
ケープタウン市の将来都市整備構想は図2−9の如く示され、中心市街地への住居系機能の導入や商業集積の拡大が想定されている。これに対応した公共交通機関の整備が望まれるルートとして、CBD-グレンボルグ、同一ディスト

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION